会長挨拶
滝山 博志 Hiroshi TAKIYAMA
(東京農工大学 大学院 工学研究院 教授)
前会長の森先生からバトンを受け取りました。あらためて、どうぞよろしくお願いいたします。
会員の皆様に満足いただく学会を運営するには、各種委員会や事務組織の持続可能性が重要だと考えています。諸先輩方が築き上げてきた、分離技術についてとことん議論できる場の提供によって、その中で新たな価値が生まれることを実感できる学会を、現代風にアレンジしながらあらためて目指したいと思います。
どの学会でも会員数の減少が課題となっています。ところが、若手の活動が活発な学会であるほど少人数であってもアクティブな感じがしています。これも、次世代の学会活動を担う若手研究技術者の層をいかに育て、受け継ぐのかといった、持続可能な体制作りが大切であることの証であると思います。若手を信じて、今の時代に合った学会の企画を考えて見て下さいとか、次の世代がチャレンジしたい、あるいは、気になる企画を実行してみて下さいという、若手研究技術者の発想の開放をサポートできる学会でありたいと考えています。
このように、学会活動に対する義務感優先の考えからの脱却と、持続可能な体制作り、そして若手の活躍の場の提供を目指して、分離技術会を盛り上げたいと思います。
学際領域が探究される中、高付加価値の新素材の創製とともに、新たな装置や新規プロセスも技術開発されてきています。ただし、Product Innovationの方がProcess Innovationよりも説明がしやすく、外部資金の獲得がしやいということなのか、分離技術については、成熟感の方がまさってしまっていると感じられます。しかし、ほとんどの新規Product開発には分離技術が用いられるであろうし、新規プロセスといっても従来の分離技術の上に成り立っていることには間違いありません。よって、新規Product開発を後押しするのに必要な分離技術を支えられる学会、そして、分離技術に関する技術伝承を担える学会でありたいと考えています。新体制になっても是非、皆様方のご協力をお願いいたします。
令和6年6月11日(総会にて)