【2/14開催】蒸留フォーラム2020 ご案内
蒸留フォーラム2020
― 課題・トラブルの解決から新技術の開発まで -
主 催: 分離技術会
協 賛: 化学工学会(分離プロセス部会,基礎物性部会,システム・情報・シミュレーション部会),石油学会,日本化学会
日 時: 2020年2月14日(金) 10:00~17:10
場 所: 日本大学理工学部1号館3F(駿河台キャンパス)131教室
JR総武線・中央線 御茶ノ水駅,地下鉄千代田線 新御茶ノ水駅 徒歩3分
案内図 http://www.cst.nihon-u.ac.jp/campus/index.html
定 員: 80名(先着順)
蒸留は,新規に分離操作が開発される現在も重要な分離操作であり,多くの化学・石油プロセスに利用されています。今回は,「課題・トラブルの解決から新技術の開発まで」というテーマで,現在国内で稼働中の蒸留塔の現状を始め,最適化による省エネルギーや設備・運転の改良,プロセス安全,トラブルシューティングなどの重要課題の事例について講演いただきます。蒸留塔の設計,建設および運転に携わる技術者のみならず,研究者にとっても非常に役立つ内容となっております。奮ってお申し込み下さるようお願い申し上げます。
■ プログラム
1.化学プラントデータを活用するソフトセンサー技術および製造プロセス管理手法 (10:00~10:50)
プロセス産業では原材料を製品に変換するため種々の装置が利用され,各装置での温度,圧力,流量などのプロセス変数の制御が行われている。プロセスの運転に際し,運転状態を継続的に監視し,最適な状態を維持するため必要な操作を適宜行う必要がある。適切なプロセス制御を行うためにはプロセス変数値の頻繁かつリアルタイムな測定が求められるが,測定困難な変数についてはソフトセンサーモデルによる予測が行われており,ソフトセンサーを比較的簡単に構築し活用するためには設計ツールが必要となる。日本学術振興会第143委員会のワークショップでは,新たなオフライン/オンラインツールの開発に取り組み万能型ツールの開発に至った。ソフトセンサーの概要とこのツールを紹介する。
東京大学 船津 公人 氏
2.国内で稼働している蒸留塔の現状調査~この20年間の変化~ (10:50~11:20)
蒸留に関するアンケート調査を分離技術会50周年記念行事の一環として実施した。前回は約20年前(1996年),前々回は約40年前(1975年)に石油・化学企業の事業所・工場別に送付し,結果は化学工学会の年会・出版物と分離技術会講習会等で公開されている。今回の調査結果を前回と比較した。
日本大学 鈴木 功 氏
3.化学産業での事故の再来と背景要因 (11:20~12:00)
化学産業で1980年代に多発した反応暴走による事故は,熱危険性評価や安全管理に関する教育により大きく減少した。
しかし,2010以降,反応系での事故が増加傾向にある。要因は熱危険性評価不足に加え,安全感性低下,緊急時の対応力不足,変更管理の不徹底など多様である。講演では,最近の事故の背景や安全文化について紹介する。
安全工学会 若倉 正英 氏
<昼 食 12:00 ~13:00>
4.ミラープラントを利用した蒸留塔フィードフォワード制御 (13:00~13:40)
DCSのリアルタイムデータを使って演算を行うオンライン・ダイナミックシミュレータ「ミラープラント」が導入されているプラントにおいて,DCS制御ループ構築の事前検討シミュレーションを実施したので,その手法を紹介する。既にDCSには制御ループが構築されており,パラメータには事前検討した値そのものを使用して,蒸留塔の自動運転達成という成果も出ている。このような実プラントへの適用結果についても併せて紹介する。
横河電機 尾又 俊彰 氏
5.蒸留塔内の自己反応性物質の濃縮~ヒドロキシルアミンを例として~ (13:40~14:20)
蒸留塔の爆発火災に関する安全性を評価するとき,加熱部の熱安定性を議論することが一般的である。しかしながら中段に自己反応性物質が濃縮する場合もありうる。そのような自己反応性物質としてヒドロキシルアミンを紹介する。
日本リファイン 河野 雅史 氏
6.スピリッツ蒸留の理論と実践 (14:20~15:00)
単式蒸留器,単式精留蒸留機,連続式蒸留機によって,様々なタイプのスピリッツ蒸留酒の品質が造り込まれている。世界の蒸留酒ものづくりの基礎理論と実践的な方法について説明する。
サントリースピリッツ 坂口 正明 氏
<休憩 15:00 ~15:10>
7.蒸留塔のトラブル事例紹介(ファウリングとフォーミング) (15:10~15:50)
蒸留塔の運転トラブルの事象として,汚れによる閉塞(ファウリング)や発泡(フォーミング)などが知られているがこれらの対策の一つとして,現象に適したインターナルを選定することが挙げられる。設計時の注意点と,実機におけるインターナル更新での効果について比較した事例について説明する。
三菱ケミカルエンジニアリング 山崎 幸一 氏
8.ミス・トラブルに学ぶ,運転・設計への伝承 (15:50~16:30)
トラブル未然防止のためには,過去知見に基づいた設計・運転指針策定が重要である。本講演では,蒸留塔のトラブル,および,その対応策について,発生原因とともに紹介する。
日揮グローバル 小山 武志 氏
9.省エネ蒸留システムSUPERHIDIC®と最新適用判断方法 (16:30~17:10)
従来型HIDiCの課題を解決し,より高い省エネ性能が得られるSUPERHIDIC®を開発した。既に商業装置で安定運転されており,実証された性能を紹介する。一方,既設蒸留塔は他塔と熱統合されていたり,熱源のスチーム削減がスチームボイラー負荷低減とならないこともある。そこで数理最適化を応用しプロセス・用役系を同時に解く手法を開発した。用役費を削減できるSUPERHIDIC®の適用を提案する。
東洋エンジニアリング 若林 敏祐 氏
<ご参考> 前回の参加者のアンケートから
・ 実例の紹介と動画での説明もあり,理解が深まった。(化学)
・ 講演内容から,過去のトラブルのレビューをすることができた。(化学)
・ プラント制御への適用事例は,今後のエンジニアリングの方向性理解に役立った。(エンジニアリング)
参加費: 正・維持・特別会員・協賛団体会員 20,000円,同時入会 25,000円,会員外 30,000円,学生 5,000円
(テキストの他に,書籍 分離技術シリーズ「トラブルから学ぶ蒸留塔の保全」(贈呈)を含みますが,申込時に限り,同じシリーズの下記書籍1冊と変更できますので,参加申込書の備考欄にご希望の書籍名をご記入下さい。)
A「増補 充てん塔の話Packed Tower」 B「改訂新版トレイパッキング」 C「実用蒸留技術」
D「復刻新版 多成分系の蒸留 」 E「やさしい蒸留-ポットスチルの首の形状から学ぶ-」
(※ただし学生参加費にはテキストのみで上記書籍は含まれません)
参加費は,郵便振替または下記銀行に前納にてお振込み下さい。
郵便振替: 00100-9-21052, 口座名 分離技術会
銀行振込: みずほ銀行 神田支店, 普通預金 1010899, 口座名 分離技術会
申込先: 参加ご希望の方は必要事項をご記入のうえ,下記事務局までFAXまたはe-mailにてお申込下さい。
申し込み締切日 2020年2月7日(金),ただし締切日前に定員に達した場合は,その時点で締め切らせて頂きますので,お早めの申込みをお願い致します。参加人数が少ない場合には開催しないこともあることをご承知おき下さい。
〒214-0034
TEL: 044-935-2578 FAX: 044-935-2571 e-mail: jimu@sspej.gr.jp